睡眠時無呼吸症候群に関する治療について

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中にたびたび呼吸が停止したり弱くなることで、十分な呼吸ができず熟睡できなくなる病気です。症状としては睡眠中のいびきや日中の眠気、夜中に目が覚める、夜中にトイレに行きたくなる、起床時の熟睡感の欠如などがあります。

睡眠時無呼吸症候群があると高血圧や糖尿病などの生活習慣病を発症する危険があり、特に重症例では無治療で放置するとその後10年のうちに10%が死亡すると言われています。また適切な治療を行うことで、その危険性を回避できることも明らかになってきました。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を疑うとき

検査について

当院耳鼻咽喉科では、平成28年7月より睡眠障害の診断をする終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査(以下PSG検査)を導入し、診断から治療までを当院で行うことが可能となりました。

痛みを伴うような検査ではありませんので、いびきや日中の眠気などの症状がある方はぜひ一度受診してください。

治療について

無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index : AHI)が簡易診断で40以上または終夜睡眠ポリソムノグラフィーで20以上であった場合は経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous Positive Airway Pressure : CPAP)を行います。CPAP療法の原理は、寝ている間の無呼吸を防ぐために気道に空気を送り続けて気道を開存させておくもので、CPAP装置からエアチューブを伝い、鼻に装着したマスクから気道へ空気が送り込まれます。

AHIが5以上20未満の場合は、歯科装具(マウスピース)で治療するケースもあります。下顎を上顎よりも前方に引き出して固定することで上気道を広く保ち、いびきや無呼吸を防ぐという方法です。歯科に紹介して作成してもらっています。