院長あいさつ
JA高知病院院長
都築 英雄
当院は2021年に創立90周年を迎えることができました。これも当院を支持していただいた患者さん、JA組合員、医療連携の病院や施設そして地域の皆様のおかげと感謝しております。また長年にわたって医師を派遣してくださる徳島大学と高知大学の皆様ならびに当院を支えていただいた多くの職員の皆様に感謝申し上げます。
さて、この90年の歴史の中で、経営難や様々な困難を乗り切ってきました。新型コロナウイルス感染症に対しては発生当初から感染症協力病院として、高知医療センターにつぐ患者数を受け入れてまいりました。2023年度に入り、新型コロナウイルス感染症も落ち着き、第五類感染症となりました。患者さんならびにご家族の方には面会禁止等の制限をお願いしてきましたが、2023年5月から感染状況を踏まえながら徐々に制限を解除していきます。ただ、院内には感染弱者の方が多く、引き続き感染防止にはご協力をお願いいたします。
当院の基本理念は医療の安全を保証し、質を高め、心のこもったサービスを提供して、JA組合員をはじめ地域の皆様に選ばれる病院であり続けることです。職員は当院を受診してくださる患者さんがいるからこそ存続できる、感謝の気持ちを忘れることなく、日々の診療に当たっております。
高齢化社会では病気の治療だけでなく、生活支援も行わなければ医療が成り立たなくなってきています。当院にはJA高知健診センター、別棟に介護老人保健施設 JAいなほ(通所定員50人、入所定員80人)、老健施設内に居宅介護支援事業所 JAみのりがあります。これらをフルに活用し、医療・保健・介護が一体となった運営を地域の皆様方とともに勧めていきたいと思います。
南海大地震を始め自然災害対策もきわめて重要です。当院は災害拠点病院に指定されており、日頃から訓練を行い、災害時においても必要最低限の機能を維持できるように備えています。さらにDMAT(災害派遣医療チーム)を組織し、活動しています。
昨今の医師の不足は深刻です。各都道府県に医学部は出来ましたが、地方に医師は定着していません。このような中で地域の基幹病院としての機能を守るには、大学病院や地域のさまざまな病院の先生との相互理解は不可欠と考えます。また地域連携室が中心となり、他施設と患者さんの情報を共有し、退院や転院がスムーズに運ぶ様に橋渡しを行なっております。今後も地域の病院、診療所や施設の方との交流を通して、協力体制を強化してまいります。
病院の経営も重要な課題です。病院の使命は医療サービスを通して患者さんをはじめとする皆様に喜んでいただくことと考えています。そして同時に利益を生み出さなければ病院は立ち行かなくなります。利益は病院存続の条件と言えます。患者さんの変化するニーズに迅速に対応し、収益の改善にも取り組んでまいります。
JA高知病院が良質の医療を提供し当院を支持していただくためには優秀なスタッフの確保と教育が欠かせません。そのために働きがいがあり、働きやすい職場環境を確立し、優秀な人材を育ててまいります。
今後ともよろしくお願いします。
(令和5年5月)